海や川や山を駆け回って遊んでいた、昭和のあの頃・・・セミを捕りに行ったり、蛍の乱舞に感激したり、そんな自然との関わりも、特に都会ではなかなかできなくなりました。でも水俣にはまだまだたくさんの自然があります。そんな豊かな自然の中で、夏休みくらいは子どもたちを思いっきり遊ばせたい、そして本当の生きる力を育てたい…、そんな思いが本事業につながりました。
『ふるさと水俣』にある自然の宝物の存在を再認識し、ふるさとの人々が築き上げてきた生活や文化とともに、子どもたちの未来のために伝えたい、それが「ハートリレー」の名前の由来です。そしてその宝物の継承は、我々大人たちの大事な役割だと考えます。
また少子高齢化、過疎化は全国的に地方が抱える問題ですが、
例外なくその問題を抱えた水俣市に、夏休みだけでも子どもたちが帰省してくれることは、
水俣を元気づける大きな力にもなります。
そして、このような思いが、水俣だけでなく、いろんな地方の”ふるさと”へも大きな波となって
広がっていけば…と願っています。
2011年の大震災で亡くなられた皆さまのご冥福を心よりお祈り
するとともに、被災されたみなさまへ心よりお見舞い申し上げます。
また原発事故によって放射能への不安や風評被害による地域産業等へのダメージに関して、過去に同様の傷を負った水俣市出身者だからこそ、その地域の方々の痛みを心から理解できます。そして、風評被害による差別や偏見など、水俣のような過去の辛い経験を繰り返して欲しくないという気持ちでいっぱいです。
過去の痛ましい出来事から、今や、環境首都みなまたへと、ある意味『復興』を遂げつつある水俣市から、被災地や、全世界へ、そんな願いを届けたいと思います。